16.出版詐欺?~司法書士の友人との会話~

前回からのつづきです)

Tさん・・・今回の話の紹介者
先生・・・私に本を出さないか?と言ってきたグレー人物
麻衣ちゃん・・・懇意にしている友人で司法書士

司法書士である友人の麻衣ちゃんから「渡したいものがあるから会いたい」という突然のメッセージが届いて、「そうだ!こういうときこそ司法書士」と思った私は、いい機会なので麻衣ちゃんに相談しようと決めました。

私は麻衣ちゃんを始め、司法書士の皆さんとは仕事を通じたそれなりの交流があって(それらはすべて友人の麻衣ちゃんの紹介なのですが)普段の彼らの業務について色々話を聞くことが多かったので、司法書士が売買契約や消費者トラブルについても関与してくれることは知っていました。

本当は女性の麻衣ちゃんよりも、もっと舌鋒鋭くて切れ者の印象が強い別な某男性司法書士に相談したほうがいいかな?と思いましたが、このタイミングで降って湧いたように向こうから突然連絡が来るのも何かのチャンスなのかな?と考えて、やはりまず麻衣ちゃんに聞いてみよう思いました。

二人で決めた日時が当初は一か月後だったのですが、あいにくその日は私に重要な仕事が入ってしまい、急きょ、二日後に会うことになった経緯も、神様が「麻衣ちゃんに早く相談しろ」と、後押ししてくれているように思いました。

麻衣ちゃんが私に”渡したいもの”というのはお金でした(!)以前、ボランティア(無料)で引き受けた福祉事業対象の研修に対して、「助成金から予算が出せそうなので」という理由で、その分の講師料をお支払いしたいというものでした。手渡された封筒の中身は3万円。大きな金額ではありませんが、その心遣いがすごくうれしかった。

お互いの近況などを語り合ったあと、私は麻衣ちゃんに今回の件を相談してみました。

麻衣ちゃん曰く「ぷらたなすさんの本を出版したいという人が前金でお金を請求するなんて通常はあり得ない。それって変な話しだよね?」

うーん、そうかな。そうなのかな。確かにそうだけど、きょうび、苦境にあえぐ出版業界は世間に名の通った相当の大手であっても”お金さえ出せば”出版に応じてくれるらしいので(300万前後と聞いていました)、中には(詐欺ではなく)まっとうな正業としてそういうビジネスに取り組んでいる仲介業者(代理店)も、中にはいるのではないか?と自分は思いました。が、それって全部詐欺なんですかね?

私は麻衣ちゃんの口を通じて、この噂が私的にじわじわと広がることを望んでいたので、今までの経緯をありのままに実名で話しました。今回の件を紹介してくれたTさんという人は麻衣ちゃんもよく知っている人だし、Tさんのシンパの中には、お互いの共通の友人もかなり多いんです。

すると麻衣ちゃん曰く「Tさんに関しても、あまりいい話を聞かないっていうか・・・」

「え?そうなの?」

「お金払ってコンサル受けたけど、中身がイマイチだった、という話を聞いたことがあるよ?」

「でもむつ子さんは結構、仲良くしているよね?」

「うーん、どうなんだろ・・・」

麻衣ちゃんの口ぶりでは、Tさんの完璧なシンパと思っていたむつ子さんも、Tさんに対しては懐疑的な感情が一部にあるようです。きっと個人的になにか聞いているのかもしれませんね。

それにしても、先生だけでなく、紹介者のTさんに対しても悪評があるなんて、こうなってくると魑魅魍魎ですね(笑)私はTさんと組んで夏前に一緒に仕事をする予定があるのですが、今後は少し距離をおいたほうがいいのかも。元々私はTさんの一派とはみなされていないと思いますが、うちの夫が「あの人はなんとなくいい感じがしない」というのも、それなりに的を得た見解なのかもしれません。

Tさんに関して麻衣ちゃんは続けて言いました。「それなりの仕事をきちんとしているのはわかっているので、要は相性の問題だと思うよ?私はちょっとダメな感じだけど、そうじゃない人も一杯いるから。」

だよね、そうかもしれないね。

さて、私が出版詐欺ではないかと感じている某先生の件に話を戻すと、麻衣ちゃんはこう言いました。

「ぷらちゃん、それはすぐにキャンセルした方いいよ。どう考えてもおかしな話だし、”気が変わりました”とかなんとかいって早く断った方がいいと思う。ただしその前に、まず紹介者のTさんに一報入れた方がいいね」

なるほど。

 

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