持たざるあの人たちを「キラキラ起業女子」っていうのね?
今日は、明日締切の原稿があるというのに、ネットばかり見ていました。
いままで書いた一連の記事のタイトルに、私は「出版詐欺」という言葉を使っていましたが、他の人の事例も知りたいと思って「出版詐欺」で検索すると、どうも雰囲気が違うんですよね。出てくるのは、自費出版系の被害やトラブルばかりで、なんとなく自分のケースとは一致しません。どうやら私の場合は皆さんがとらえる一般的な「出版詐欺」と状況が異なるようです。
そこで検索キーワードを変えて「コンサル 被害」で検索してみると、それまでよりかなり方向性?の似ている記事が色々出てきたので、思わず日がな一日読みふけってしまったというのが実情です。
なかでも特筆して参考になったのが、「キラキラ起業女子研究所」(しおから)さんの50万円を返してもらった経緯でした。
私が検索したときそのブログは、上から10番目ぐらいに表示されました。その記事のタイトル「読者さんからのメッセージ「どのように返金請求すれば良いですか?」」がビンゴ!で私の目を釘付けにしたんです!そう、私も返してほしい。この人はいったいどうやって返してもらったの?
(あとで検索してもう一度よく見たら、10位以内にしおからさんのブログ記事が2つと、しおからさんを取材した著名サイトの関連記事が1つ入っていました。すごい。)
何度も読み返したので、私がいま検索すると前回よりも上位に表示されますが、しおからさん、こんな弱小ブログからリンクを張ってしまいごめんなさい。
しおからさんのブログ「キラキラ起業女子研究所」はどの記事を読んでも頷けるものばかりで、50万の返金のプロセスも非常に参考になりました(こちらをぜひ読んでみてください)。この方のブログはとても共感できますし、ブログそのもののつくりもメチャメチャ上手いですね。そっちの意味でも勉強になります!
キラキラ起業女子は私の周りにもいっぱい
といいつつ、今回はその話題ではなく、私が初めて耳にしたキラキラ起業女子についてです。ネットはそれなりにやるけど、仕事の調べ物がほとんどで、他の人のブログやTwitterはほとんど読まない私なので、いま、女性の起業に対してそんなことが起こっているなんて全然知りませんでした。
本当のことを言うと、その言葉を聞いたのはこれが初めてではありません。誰かがリンクを張ってTwitterかFacebookのタイムラインに流れてきた「急増するキラキラ起業女子、大半は経済困窮…SNSで必死に「華やか&リッチライフ」自己演出」という記事だけは、自分も過去に読んでいました。
でも今日、しおからさんのブログで紹介されているのを再び見るまでは、その記事のことも「キラキラ起業女子」という言葉もすっかり忘れていたんです。案の定そんなもんだろうという妙な納得感でリンク先を開いたことだけは記憶しているのですが。
はぁ~、それにしても、キラキラ起業女子ねぇ・・・
います。私の周りにも、そういう人。いっぱい。
改めてその実態を知り、あ!と思ったのは、このブログで名前が何度も登場しているTさんの周りの人達がまさにそれそれ!それなんです。だから私とは肌が合わず、近づきたいとも思わなかったのね~^^。私とは根本的に波長が合わないし、あの中に居ると私が浮いちゃうよ。そもそも自分の仕事先は法人さんばかりなので、個人の、しかも同じ女性の夢や悩みをサポートしたい人たちとは立ち位置が違って当然なのですが。
私の周囲で特に目立つ二名のうち、一人は10年以上プランニング会社を経営し(確か社員もいたような?)、一人は5年近くエステサロンをやっていますから、この二名に関しては、どちらも収入的に困窮はしていないと思っています。二人とも実力が十分あって努力もしているので、私としては「売り方がチャラいな」と単に思うだけで、一定の敬意はあります。
ですが、問題はそれよりワンランクもツーランクも下の(またはそれ以下の)実績が何もないのに成功を夢見て後戻りできない一歩を踏み出してしまった人たちなんでしょうね。
この場合の実績と言うのはそれまでに得ている他者評価という意味です。
会社員時代にここが内外に評価されていた、とか、手づくり品が好評でいつも友人やご近所から何かを頼まれていた、とか、そういう実績です。経験ベースの現実的な基盤が少しでもないと、起業はできても継続は難しいと思います。しおからさんのブログを読んでもわかるけど、クライアントさんを上回る圧倒的な「何か」がないと、満足度が低下して悪い口コミが広がるし、その道のプロとは到底思ってもらえないもの。
お金のかけ先はそこじゃないでしょ?
思えば、定年目前で公務員を退職してコーチ・コンサルで独立したある友人男性も、一番先にやったことはTさんのコンサル生になったことと、お金をかけて立派なHPをつくったことでした。
彼はプロに頼んで自分のマスコットキャラクターまでつくったけど、結局鳴かず飛ばずで、今はアルバイトをしながら再起を狙っています。私は自分がスタート時に苦労しているので、最初からぶっ飛ばしている彼を見て、お金のかけ先ってそこじゃないと思ったし、同業者としてそれらはあまり効果がないと感じていたけど、当時はTさんに心酔していたようだったし、すでに払ってしまったものに後から否定的なことを言うのもアレなので何も言いませんでした。
結局、色々なセミナーに参加して、成功のイメージだけは強くインプットされても、そこに至る具体的な道のりを自力で組み立てることができなければ、やはりコンサルにすがるしかないのでしょうが、コンサルとひと口に言っても、すべての業種に詳しいわけではないので、自分の経験としては、同業の先輩に直接会ってたくさん話を聞いたほうがよっぽど効果的で安上がりだと思います。
でもそういう下積み的なことはやりたくなくて、最初から成功者として登場したいんですよね(その気持ちはすごくわかる。私もそうでした)。
私は似たような男性をもう一人知っていて、彼もまたTさんのコンサル生ですが、この二人に共通することは、どちらも理系の技術職で人脈づくりや営業の数字に追われた経験がないことかな。だから余計に、強い姿勢で助言をしてくれる頼もしい指導者が欲しいんだと思う。そして苦労を見せずにスマートに振舞ってスマートに成功したい。その辺がキラキラ起業女子と同じかも。けれど、人前で赤っ恥をかいても平気なぐらい(またはうまくかわせるぐらいの)の覚悟と根性がないと、ひとりでやっていくのは厳しいと思うよ?
「覚悟」や「根性」はキラキラ起業女子のイメージとは相反する言葉ですが、上手く行っている人達は一見華やかな人気者に見えても、それなりに泥臭くそれなりに狡猾でそれなりに(良くも悪くも)執拗です(笑)いいか悪いかは別として、どの人も「私は私。文句ある?」みたいな開き直りがあり、他人のジャッジなんてあんまり気にしてないです。要は売り上げのためにそういう人になれるか?ってこと。
友人も高額コンサルを受講
ところで先に述べた女性二人のほうはお互いに知人同士で、この私とも10数年来の友人なのですが、ある時期、同一の女性から50万円のコンサルを受けて「Facebookの友達5000人」を目指し始めました。どうやらそれを可能にする相互申請のコミュニティ(いわゆるサロン?)まであるようです。そして誰かれかまわず友達にして5000人を達成したら、自分のビジネスの対象外と思える人を削除して空きをつくり、そこでまた友達申請をしていく手法らしい。
それってFacebookのポリシーに反するのではないかと思ってしまいますが、「友だちが大勢いて”いいね”の数が半端ない」ことが周囲の注目と評価を上げていくらしいので、個人的には、あっそう頑張ってね、ぐらいの気持ちです。そして、アプリ修正が入った自撮り投稿が増えたあたりから、これはもう私とは進む道が完璧に分かれたな、と思いました。
私は今日の今日までそれらをすっかり忘れていましたけど(友人の二人がコンサルを受けたというその女性の名前も忘却)、しおからさんのブログを読んで、世の中にはそういうコンサルがいっぱいいるだけでなく、中にはぼったくりも山のようにあることを初めて知りました。
二人の友人はすでにしっかりした実業を持っているのでいいのですが、そのコンサルのフロントセミナーにはこれから起業したい他の知人も多数参加して何名かはコンサル生にもなったはず。一人は最近結婚して主婦になってしまいましたが、残りの人はどうなったんだろう。
私はコンサルとは無縁だけどこれでいいと思った
私が会社を辞めて独立したとき、誰かのコンサルを受けようとはまったく思いませんでした。そもそもそんなお金などなかったのが一番の理由ですが、人に何かを教わってその通りにするよりも、自分で考えたことを実践し、トライ&エラーでチューニングしていく作業のほうが好きで楽しかったということも大きな要因です。(でも先輩達には、今の仕事をどうやって手に入れたか、ことごとく聞いて回りましたよ?)
誰かに付いて行きたいとは思わないし(思ったことがない)、「人を尊敬する」という気持ちが元々薄いんですけど、これは持って生まれた性格だと思います(わたくし、ちょっとADHD傾向があるのを自覚しております)。なので憧れる人の起業塾や起業セミナーのようなものに参加して、早いうちからそこそこの結果を出している人を見ると、「他人を師と仰げない」性分は自分の重大な欠点であり、それがビジネスの大きな障害にもなっていると感じていました。
でも今日一日、関連サイトやブログを読み漁った結論としては、たとえ遠回りでもスモールビジネスから抜け出せなくても「私はこのままでいい」と思ったし、むしろそれはそれで悪くはなかったように思えてきました。急上昇のあとには急降下が待っているわけで、自分はその界隈とは距離を置き、今まで通り、地道に、堅実ににやっていこうと思いました。
私がひとりで食べて行こうと思ったバックボーンには、会社員時代に積み重ねてきた膨大な人材育成の実体験と、そこで得た自分なりのポリシーやノウハウがあります。要するに、この分野では負けないぞ、という自信です。私が思うに、それまでの人生で何の成果も出していない人は、今後の人生でも成果を得られないんじゃないでしょうか。これが自分の考えです。キラキラ起業女子はそれがないからこそ起業して一発逆転の自己承認を得たい人たち、ともいえるけど、だけどそれこそ悪循環だな。
え!あなたも会社辞めちゃったの?
先日、久しぶりに会った知人と話をしたら、彼女が長く勤めた会社を辞めて独立したと聞かされて驚きました。。名刺をもらったけど、それを見てもいったい何で稼ごうとしているのか全然わからなかったので、軽く尋ねたらカウンセリングと家事代行なんだそうです。(個人的には家事代行のほうが好き。そっちのほうに現実的なニーズがあるのでは?)
実は彼女もいまはTさんの一派です。数日後に別件で偶然再会したら、彼女が一番やりたいことはやはりカウンセリングで、そのために資格も取ったとのこと。ですがその方向性は多分にスピリチュアル系の要素を含むものとわかりました。
あーあ、彼女、まじめで実直な人柄なのに、なんで会社辞めちゃったんだろ。あの感じでは、やはりお金を払ってTさんのコンサルも受けているのでしょう。。Tさんは決して悪い人ではなく、誠意も人情も常識もある人ですが、ビジネスパーソンとして収入源は確保したいから、キラキラ起業女子には必ず声をかけるはず。ここでカモという言葉は使いたくないけど、キラキラ起業女子の周りには、それをビジネスチャンスととらえる人物が、玉石混交の状態で入り乱れていることは紛れもない事実だと思います。
本日、私はこの時間(22時)に至るまで、やるべき仕事をほったらかして、コンサル被害のブログを延々と読み漁ってしまいまいましたが、とても興味深かったブログをもうひとつご紹介して終わります。それは「Flat 9 〜マダムユキの部屋」です。この方のブログも、何を読んでも面白い。
ですが、いつまでもこの世界に入り浸っていると、自分の本業がおろそかになるので、今日はこの辺で。