気が利かない人のために「もう一歩リスト」をつくりました

 

社員指導を依頼されている仕事先で、
ある人に全部で3ページある、
資料の印刷を人数分頼んだら、
一人分がわかるように、互い違いに、
重ねて持ってきてくれたのはいいんですが、
紙が綴じてありませんでした。

 

この会社さんは、気心の知れた仕事先で、
午後から全体研修を行う時でも、
早めに行って皆さんとお昼を食べたり、
ときには外出している方の机を借りて、
自分のPCでメールの返信などを
させてもらったりしています。

 

印刷をお願いした資料は、
このあとの研修で使うもので、
毎回、綴じたものを配っているので、
今回も、当然、
綴じて持ってきてくれると思っていたら、
違ったので、えっ、と思わずびっくり。

 

でもこの人は、専務(社長の奥さん)に、
いつも、「気働きが足りない、自分で考えない」
と言われている20代の男性で、
素直でやる気はあるんですが、
いつも、あと一歩、足りないんですよね。

 

バラバラにならないように、
互い違いに重ねてある用紙の束の上と下を、
手のひらではさむように持ってきたのを見て、
どう出るべきか、一瞬、考えていると、
横から専務がすぐに、
「ノリ君、ダメじゃん、綴じないと!」
と、すかさず、突っ込み。

 

あー、先に言われちゃったな(笑)

 

ノリ君は、専務と二人で営業先に連れて行っても、
気が利かないことが多いらしく、
専務が名刺交換しても、自分はただ立っているだけ、
(本来なら専務に続いて自分も名刺交換)
とか、展示会で説明してほしそうなお客さんが、
担当者を探すそぶりを見せても、
「気が付いているんだかいないんだか、
たーだ、突っ立ってみているだけ」(専務)
なんだそうです。

 

経営者というのは、小さなことでも、
社員の不満を持ちがちなので、
いったいどの程度なのか測りかねていましたが、
確かに、そのようです。

 

というもの、そのあと個別に課題を出したときも、
「なるほど」と思うことがあったから。

 

課題と言っても、コーチングで話し合った、
各自の次回までの行動目標を、
実践したら私にメールで報告する、というもので、
ノリ君の場合は、
「仕事で参考になるサイトを3つ探す」のが、
次回までの実践課題でした。

 

で、ノリ君から早速届いたメールを見ると、
「仕事で参考になるサイトを3つ探しました!」
とだけ書いてあって、URLが貼られていません。

 

確かに、URLを貼るようには言っていないので、
これで間違いではありませんが、個人的には、
「こんな報告ってないべー?」と思いました(笑)
(なので、それは伝えました^^)

 

約束は守るし、言われたことはやるんですが、
ホントに、いつも一歩(いや二歩?三歩?)
足りないんですよね。

 

女性陣は皆優秀で、成果物が課題の人は、
ファイルや作成物の写真を添付してくるし、
何かの行動が目標の人は、
やってみた感想や、振り返りの一言があるのですが、
この会社の男性陣は、みんな、ちょっとイマイチな感じ?
だから、ノリ君を適切に指導することもできないのかな。

 

うーん、こりゃちょっと、手出しをしたほうがいいかも。

 

各社員さんとの関わり方は、
社長と専務に一任されているので、
私はノリ君に「もう一歩リスト」
提案をしました。

 

これは、私がノリ君と接していて、
「あともう一歩!」と感じた時に、
何に対してそう感じたかを書き込み、
お互いに共有するリストです。
共有はEvernoteで行います。

 

進め方は、怒ったり、注意はせずに、
自分がノリ君に「イマイチ」を感じた時に、
「今、こうだともっといいなと思ったんだけど?」
と、優しく(笑)語りかけて(笑)、
「リストに追加していい?」と確認をとって、
それで、そのことを、ただ書くだけ。
ただし、書いたら、ノリ君に「確認済み」と、
自分で打ち込んでもらいます。

 

これ、実は、うちのダンナさんにやって、
結構、効果があったんですよね。
それを応用してみたわけです。

 

コツは、絶対に責めないこと。
怒ったり、文句を言ったり、不満を述べたりせずに、
感じた事実だけを伝えて、事前に了解を得て書く。
それだけですが、ユーモアは必要かもね。

 

これは要するに、
その人が至らないところの可視化なんですが、
本人が無自覚だと、同じ内容が何度も出てくるでしょ?
まず、それを知ってもらうだけでも有効なんです。

 

ノリ君がまた、読み手にとって、
URLを貼った方が親切でわかりやすい内容なのに、
URLを張らないメールを送ってきたら、
私は、また「書いてもいい?」って言うでしょう。

 

で、ファイルを開いてそれが再発内容だったら、
「〇月〇日にも、書いてあるよ?」と、
サラッと言いますわw「ダメじゃーん(笑)」とかね。

 

まぁ、そんなやりとりを
楽しく(←ここ大事)繰り返していると、
本人も、少しずつ自覚が出てくるもんですよ。

 

ちなみに、うちのダンナさんの場合は、
「教えたリスト」もあります。

 

PCの操作をよく聞かれるんですが、
一度教えても、忘れてしまったり、
そもそも、教えられた事実を覚えてないので、
5年前から運用中です。

 

最近では、「今の質問は教えたリストに書いてもいい?」
と聞くと、「ちょっと待て!メモするから」と、
再発しないように、自分で考えて、
気を付けるようになりました(笑)

 

ですが、この「〇〇リスト」の運用は、
これがなければ効果がない!という、
最大の必須条件があります。

 

それは、私と相手が、
きちんと信頼関係で結ばれていることなんですよね。
こんな変てこりん?「〇〇リスト」なんちゅーのを
作っても、関係が悪化しないし、むしろ楽しめる。

 

そこまでの関係ができたと確信した時に、
初めてそこで、試してみてくださいね。

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