結婚報告と赤ちゃん誕生の紹介記事がある社内報

 

ある会社の常務を務める知人に、
社内報をいただきました。

 

お仕事先ではありませんが、
調べ物をしていて質問をしたら、
「当社の社内報にその記事がある」
と、おっしゃるので、
お願いして一部をいただいたんです。

 

ページをめくると巻末に、
その年に結婚した方のウェディング写真や、
その年に生まれた赤ちゃんの写真が、
簡単な文章と共に紹介されていました。

 

幸せそうな笑顔。
頑張って撮ったと思われる、
新生児のベストショット。

 

これって全員が掲載されているのかなぁ。
拒否する人はいないんだろうか。

 

なんだか、写真を眺めていたら、
地方で古くから事業を行っている、
昔ながらの会社っていう感じがしてきて、
懐かしい感じがすると共に、
私が歩いてきた仕事や、
いま、人材育成をお手伝いしている、
お仕事先とのあまりの違いに、
うらやましさを感じました。

 

こんな社内報が今も成り立つんだね。

 

*    *    *    *

 

私の前職はコールセンターのマネージャーですが、
コールセンターというのは、
非正規社員の巣窟みたいな職場で(笑)、
他人との関わりをよしとしないスタッフも多いけど、
それに対しての強制力もありません。

 

幸い、私の職場は大手企業だったため、
正社員の側に、昔からの慣習を守る空気があり、
派遣スタッフに対しても、冠婚葬祭のときには、
有志の方達がお金を集めてくれたりしました。

 

それも、センター立ち上げの成り立ち上、
正社員も私達派遣スタッフも、
ほぼ同時期に、かき集められているので、
私達と正社員の皆さんたちとは、
雇用形態の区別なく、一緒に苦労してきた、
同志のような間柄だったからです。

 

それも数年経つと、様変わりしてきて、
スタッフの一人が結婚するので、
お祝いのお金を集めていたら、
「なぜお金を出さなければいけないのか?」
「強制ですか?」
「よく知らない人なので出したくない」
など、お祝いひとつ集めるのでも、
本当に大変でした。

 

でも、私は珍しく譲らずに、
敢行しました。

 

コールセンターは中途採用者の職場ですが、
前職の会社がどうだったか?によって、
こういうときの対応が大きく分かれます。

 

人間関係が希薄な会社から転職してくると、
こういうことは煩わしいのだと思いますが、
今後、家庭を持ったり子供ができたりして、
地域や社会や血縁関係の中で、
独立した1世帯になると、
こういうこととは、無縁ではいられないんです。
だから、予行演習ですよ(笑)
若い彼らのためなんです。

 

でも、当時の職場では、
式を挙げて結婚するスタッフは稀でした。
式や披露宴を行う発想がもう崩れて来ていたし、
お金がないスタッフも多かったし、
入籍していないカップルや、シングルマザーなど、
わけありも結構多かったので、今思えば、
暖かくて思いやりのある職場でしたが、
こういった社内報は不可能でしょう。

 

*    *    *    *

 

一方、いま、
人材育成のお手伝いをしている会社のうち、
このスタイルの社内報は、絶対無理!と思うのが、
建築設計を業務としているW社。

 

W社さんは、とにかく社長の指示が浸透しない会社で、
その原因は、社の方針に従わないベテラン社員が、
事実上、職場を牛耳っているからです。
中には、胸を痛めている人もいると思うけど、
みんなその人が怖いので、正しい行動ができません。

 

個人的にはそういう人こそ、
会って話をしてみたいし、
私の能力の発揮のしどころは、
そっちじゃないかと思うんですが、
そんな部門に外部講師を入れるのは、
非常に大変でエネルギーが要るらしく、
私の指導先は、いまも、
営業部門にとどまっているわけです。

 

この会社では、どんな施策もアイデアも、
その問題の社員で止まってしまいます。
新しい施策にはことごとく反対するし、
縦のものを横にもしない頑固な態度で、
決して表に出たがりません。

 

会社案内の集合写真も、
他人の陰に隠れて、顔を見せていません。
小さい写真なのにね。
(何か都合が悪い事でもあるんでしょうか?)

 

そしてこの会社には、もう一人、
超強力な負のオピニオンリーダーがいます。
その人は、元プロスポーツ選手だったそうです。
名前で検索すると、戦績も出てくるようです。

 

その彼が、とにかく神経質で、
周囲はとても苦労しているみたいです。
会社のホームページにちょっとでも、
自分の姿が載っていると、
たとえそれが手足だけでも、
感情的に削除を求めてくるようです。

 

まあ、気持ちはわからなくないですが、
その辺はクリアしていかないと、
今後、仕事では成長できないと思うし、
そんな気持ちだから、
選手として大成しなかったんじゃないの?
と、言いたい気持ちもある。

 

でも、どっちにしても、
こういう強力な人達がいて、
社風を左右するぐらいの発言権があると、
皆それに従ってしまうので、
社内はとても暗いし、活気がないです。

 

ホームページの社員紹介の連載記事も、
彼らがいる部門は、毎回、部門まるごと、
全員が飛ばして掲載されます。
たぶんここで、「自分は掲載されてもいい」
などと言おうものなら、
後で、著しく面倒なことになるのを、
仲間たちは皆、わかっているのでしょう。

 

*    *    *    *

 

私が呼ばれて、仕事を依頼されるのは、
ほぼだいたい、そんな感じの会社さんです。
経営者もナンバーツーも、
そのことに困り、手を焼いています。
が、肝心の大元に触らせてくれないんだから、
周りだけをあれこやっても、しかたないと、
思うんだけどね。

 

そんな日々の中で、いただいた社内報は、
結婚や出産の記事に、
古き良き昭和の時代感覚なども感じながら、
今でもこういう社内報がつくれるのは、
とてもうらやましいことだし、
そんなカラーが、変化に打ち勝つ新しい強さを、
つくっていくのではないか、と思いました。

 

ちなみに、その社内報をくれた、
常務の会社は、社員数が100名前後。
W社は20名前後です。

 

日本の9割は中小企業と言いますが、
私が仕事を通じて感じることは、
いま、その9割の中小企業、
とくに20人前後の会社の雰囲気が、
全体的に悪化してきていて、
変なことになっているように、すごく思います。

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